サーフィンと仲間の話し

趣味

宮崎サーフトリップ

毎年10月か11月に仲間達と宮崎にサーフトリップするのが恒例となっています。もうかれこれ15年近く続く年中行事です。12年前に心臓の病気を発症してから海に行く回数は減りましたが、このトリップだけには欠かすことなく参加しています。いい波と美しい景色の中で過ごす気の置けない仲間との時間は、心と体を解放するとても大切な時間なのです。

独立起業を報告も。。。

宮崎木崎浜は波のサイズが小ぶりだったこともあって、久しぶりに海に入る私にとってはちょうどいいコンディションでした。仲間達もそこそこ満足した面持ちでしたから、トリップ初日は上々だったという事でしょう。サーフィン上がり特有の幸福感の中、ビールを飲みながら私は仲間達に、独立起業する事を伝えました。しかしその宣言に対しての反応はほぼ無いまま、あっという間に話題は毎年通っていた「若林」という鰻屋が夜の営業をやめてしまった件に移っていました。かすかに「そうなんだねー」の一言が聞こえたくらいです。

「それはそうだよな」、と私はそんな話をした自分を悔やみました。私達はもう30年以上の付き合いになりますが、海以外で会う事は殆どない波乗り仲間です。お互いの職業や役職は、この仲間内では最も興味を持たれない事柄のひとつなのです。それでも、この仲間の絆はとても強く、こんなにも長い間、波乗りというただ一点において繋がっています。それはサーフィンという独特の文化が築いた、特別で幸せな関係であると感じます。

泳ぎ続けるということ

年に数える程しか海に行かなくなった今でも、サーフィンは私の奥深いところにあって、苦境や試練に襲われたとき、それが持つ生きる術のようなものに救われてきました。

すなわち、それはこのような事です。

・激流のようなカレントに流されても、強い波に潰されても、諦めずパドルし続けること

・テイクオフしかけた波が自分の想定を超えていたとしても決して怯まず立ち上がること

・パニックに襲われたときは深い深呼吸と状況確認を忘れないこと

Keep on surfing

私の宣言をほとんど無視して美味そうにビールを流し込む彼等も、それぞれがそれぞれの苦悩やトラブルを抱えていて、それでも諦めずに何とか歩き続け、乗り越えて来たであろう事を聞かずもがな私には想像できます。それは、彼等も私と同じように、パドルを諦めなければ、泳ぎ続けさえすれば、いつかセットの合間にラインナップが見えてくる事を、自らの体験として理解しているからです。

諦めずに進み続ければ必ず道は開く。そこが深く暗い谷底だとしても、機会は必ず訪れると私は信じています。

Keep on paddling

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