猛暑とカレー

グルメ

猛暑 激暑 狂暑

猛暑というより激暑、狂暑といってもいい日が続いています。7月生まれということもあって夏は大好きな季節ですが、いささか度を超した暑さで、秋まで体力が持つか不安になるここ最近の私です。

もっとも、夏の熱を冷まし、ゆっくりと冬を迎える準備を整える、秋という季節はもう無くなってしまったようにも感じますが。

東西線の遅延がひどい

とんでもない暑さと湿気に覆われた週末、私は所用を済ませるために新宿に向かいました。東葉高速鉄道は西船橋駅から姿形を変えぬまま東西線に変わって東に向かいます。外はぎらぎら、モウモウの雲一つない晴天。車窓からは容赦ない夏の光が差しこんで来ます。

東西線はここ最近、混乱気味です。すべてが東西線のせいではないことは分かっていますが、それにしても毎日のように遅延が繰り返されて、いささか辟易しています。ここ最近、私の周辺で起きている腹立たしい出来事と、東西線の体たらくが相まって、遅延する電車に乗り合わせた時には、怒りの感情が沸々となることがあります。59歳になったことですし、いろいろな事柄と適度な距離感を持って付き合えばいいと思うのですが、いまだに、抑えきれない激しい思いに支配されることがあるのです。

老舗カレー屋 ガンジー

九段下で乗り換えた都営新宿線を新宿三丁目で降り、地上に出ると、とんでもない暑さはその威力を増していました。歩行者天国の新宿通りですが、人々の多くは日差しを避けて歩道を歩いていて、車道エリアを歩く人はまばらです。

私はふと思いついて、「ガンジー」という老舗カレー屋に行くことにしました。辛い食べ物が苦手な私ですが、「ガンジー」のカレーは、しつこくない旨味と程よい辛さが潔さを感じさせて、ここ最近のお気に入りです。狭い階段を上り、昭和の喫茶店みたいなドアを開けて入店すると、案内されたカウンターの一番奥の席に座り、スペシャルカレーとキリンラガービール(瓶)を注文しました。キリリと冷えたキリンラガーを流し込むとやっと一息、体に溜まった熱が引いていくような気がします。運ばれてきたスペシャルカレーにはスライスされた2枚のトマトが彩りを添え、奇麗な深い茶色のルーの中にはエビと小さくカットされたスペアリブが潜んでいます。

ビールと水で喉を潤しつつ、白い皿に敷き詰められた白米の上に適量のカレールーをかけながら食べ進めると、汗が噴きだしてきました。頭の毛穴と言う毛穴から汗が湧き出ているように感じます。フェイスタオルで滴り落ちる汗を拾いながら一気に食べ終えると、気力が湧き上がってくるのを感じました。

猛暑とカレー

店を出て、衰えることのない強烈な日差しの中、南口方面を目指して歩き出すと、度を超した暑さに訳もなく笑いが込み上げてきます。嘘のように激しい日差しと、舌に残るカレーの辛さが相まって、ナチュラルハイ気味になった私の脳天から、何かがスパーンと音を立ててを抜けていくのを感じました。そして、ここ最近、私を苛つかせているいくつかの些細な出来事がどうでもいい、取るに足らないことに思えてきたのです。

「猛暑」と「カレー」、なかなかいい組み合わせのようです。

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