北習志野大勝軒 大好きなラーメン店

グルメ

東葉高速鉄道のこと

東葉高速鉄道は東京メトロ東西線と相互直通運転をする、西船橋と東葉勝田台の16.2Kmを結ぶ第3セクター鉄道です。

平成8年に開業して、私の通勤事情は格段に向上しましたが、日本でも指折りの運賃の高さが玉にきずです。

東西線と東葉高速鉄道は一心同体(運賃以外)となって東から西へ西から東へ日々、コトコトと音をたてながら、黙々と多くの人を運んでくれているのです。

東葉高速鉄道は私の日常を支える交通手段

東葉高速鉄道と北習志野大勝軒

今回はそんな東葉高速鉄道の沿線にある、私が愛してやまないラーメン店の話をしたいと思います。

東葉高速鉄道(または新京成電鉄)の北習志野駅西口を降りてすぐのところにその店はあります。私が高校生の頃から、ここでひっそりと、しかし特別な存在感を放って変わることなく営業を続けています。

永福町大勝軒の流れをくむ正統派醤油ラーメン。煮干し出汁の香りが鼻腔を通り抜け、大脳へやさしい信号を送り、食欲は戦闘準備万端整います。並盛で麺は2玉、スープには薄いラードが張られていて熱さを逃がしません。そんな迫力満点のラーメンに相対するには、それ相応の態勢を整える必要がある訳です。

ここ北習志野大勝軒は数ある永福系大勝軒の中でも、いや、全てのラーメンの中で、私にとっては圧倒的、絶対的ナンバーワンのラーメン屋です。日によってわずか微妙に味が変わるスープを蓮華で一口すすった後の全身に染み渡るようなうま味、幸福感。そして少しちぢれた中細麺は、凛として揺るがない風格でその最高級のスープに絡んで口の中に滑り込んでいきます。

北習志野大勝軒が愛される理由

しかし、北習志野大勝軒の魅力はこれだけではありません。

寡黙だけど決して不愛想ではない大将の男気ある佇まい。そして大将をサポートする女性陣(おそらく奥さんと娘さん)のしなやかな連携による接客。

店は古いけれど、清潔感にあふれ、埃や汚れを目にすることは殆どありません。そして伝票がないのもこの店のこだわりです。注文は客の口から店員の耳へ、そして店員の口から大将の耳へ。

この伝達の正確さは芸術的でさえあります(少なくとも私はこの店で注文ミスを見たことがありません)。

食べ終わって店を出るとき、大将はちらりとこちらを見て、やさしい太い声で「ありがとうございました」と見送ってくれます。

「質」と「量」が両立

高校生の頃、練習が終わって、死にそうに腹の減ったラグビー部の仲間と連れ立ってこの店によく来たものです。

あの頃は「量」こそが正義、「量」こそがすべてでしたから、このラーメンの味を話題にしたことはなかったような気がします。

大学入学と同時にこの町を離れてからは、一度もこの店に来ることはありませんでした。「量」しか信じていなかった私は、ここのラーメンの本当の魅力、そう、この圧倒的な美味さに気づいていなかったのです。

20年ほど前にこの町に戻ったとき、この店が何も変わることなく営業していること共に、このラーメンの美味さにものすごく驚きました。

こんなにうまかったのか、と。

そしてそれから更に20年間、私は月に2~3回はこの店に来て、そのたびに、このラーメンの揺るぐことのない圧倒的な美味さと、店の佇まい、そして40年以上ただひたすらに真剣にかつ淡々とこの最高過ぎるラーメンを作り続ける大将の立ち姿に感動し、大きな幸福感と満足感を得ているのです。毎回、変わることなく。

生き方を考えさせられるラーメンの力

北習志野大勝軒に来て、この美味いラーメンと大将の仕事を見るたびに、自分もこのようにありたいと思うのです。

こんなに行列が絶えない店になっても、奢ることも遜ることもなく、真っ当に客に感謝し、長い時間並んでこの席についた客に最高の商品を提供することだけのために、ラーメンを作り続ける。

そして「いらっしゃいませ」と「ありがとうございました」を忘れない。

結局のところ、そういう生き方こそが私の目指すところであるのです。

少し大袈裟じゃないか?と思う方がいれば、是非、北習志野 大勝軒(西口の方です)に行ってみてください。そして味わい、感じてください。

かなり並びますが。

北習志野大勝軒 西口すぐ近くにある永福系

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